海外へ行く理由
現在は、海外の論文や講演を、日本にいながら読むことができます。
オンラインで参加できる学会も増え、情報を得るだけであれば、必ずしも海外まで出かける必要はありません。
それでも私たちは、海外の学会やデンタルショーへ足を運ぶことに価値があると考えています。
現地へ行かなければ分からないことがあるからです。
情報だけを集めに行くのではありません
海外の学会へ行く目的は、新しい治療方法を探すことだけではありません。
どのようなテーマに多くの人が集まっているのか。
どのような技術が実際の診療で使われ始めているのか。
企業や研究者が、これから何を変えようとしているのか。
会場全体を歩くことで、個々の講演や製品情報だけでは分からない、大きな流れが見えてきます。
私たちは、完成した答えを受け取りに行くのではありません。
これから何が変わるのかを、自分の目で確かめに行きます。
日本に入ってくる前の技術に触れられます
新しい医療技術や機器は、世界中で同時に普及するわけではありません。
海外ではすでに使われていても、日本ではまだ紹介されていないものがあります。
反対に、展示されていても、実際の診療で役に立つ段階には達していないものもあります。
現地で実物を見て、開発者の説明を聞き、自分で操作することで、
「すぐに役立つ技術なのか。」
「まだ待った方がよい技術なのか。」
を考えることができます。
新しいことを早く取り入れることが目的ではありません。
患者さんの役に立つ段階に達しているかを見極めることが目的です。
海外で評価されていることが、正解とは限りません
海外の学会で発表されているからといって、そのまま日本の診療に取り入れられるとは限りません。
医療制度、治療費、通院習慣、患者さんの価値観は国によって異なります。
海外では受け入れられている治療でも、日本の患者さんには負担が大きいことがあります。
反対に、日本では一般的ではない診療方法が、患者さんの負担を減らすヒントになることもあります。
そのため私たちは、海外の情報をそのまま持ち帰るのではありません。
自分たちの患者さんにとって価値があるかを考え、日本の診療に合う形へ置き換えます。
講演だけでなく、展示会にも価値があります
学会では、研究成果や治療方法について学ぶことができます。
一方、デンタルショーや企業展示では、これから診療現場に入ってくる機器やシステムに触れることができます。
新しい口腔内スキャナー、画像診断、3Dプリンティング、矯正装置、AIを活用した診療支援など、診療を変える技術は講演会場の外から生まれることもあります。
実際に触れてみることで、カタログやウェブサイトでは分からない使いやすさや完成度も確認できます。
私たちは、学術と技術の両方を見ることで、これからの診療を考えています。
人と話すことで見えてくることがあります
学会の価値は、講演内容だけではありません。
研究者、歯科医師、技術者、企業の開発担当者と直接話すことで、発表資料には書かれていない背景を知ることができます。
どこまで実用化できているのか。
どのような問題が残っているのか。
次にどこを改善しようとしているのか。
直接質問することで、技術の現在地が見えてきます。
また、同じ治療に取り組む歯科医師との会話から、自分たちの診療を見直すきっかけを得ることもあります。
学んだことを、そのまま患者さんへ使うわけではありません
海外で知った治療方法や技術を、すぐに患者さんへ使用することはありません。
まず内容を理解し、現在の診療と比較します。
必要であれば小さな範囲から試し、結果を観察します。
その結果を検証し、患者さんにとって価値があると判断できたものを診療へ取り入れます。
私たちが大切にしているのは、
海外で学んだことではなく、学んだことをどのように検証し、診療へ生かすかです。
私たちが海外の学会へ行く理由
海外へ行くこと自体に価値があるわけではありません。
新しい技術を知っていることが、良い診療を保証するわけでもありません。
大切なのは、変化を自分の目で確かめ、患者さんにとって役に立つものを見極めることです。
世界で起きている変化を知ること。
日本の診療に合う形へ置き換えること。
実際の診療で観察し、検証すること。
海外で得た知識を、患者さんにとって価値のある治療へ変えること。
そのために、私たちは海外の学会やデンタルショーへ足を運んでいます。