矯正治療は、何歳になっても始めることができます。
実際に当院でも、78歳で矯正治療を受けられた患者さんがいらっしゃいます。
一方で、年齢によって治療の考え方や注意点は変わります。
結論
年齢が高いから矯正治療ができないわけではありません。
年齢によって、矯正治療で改善できる範囲や注意すべき副作用が変わります。
そのため、現在のお口の状態を診断し、その年代に合った無理のない治療計画をご提案しています。
年齢とともに治療の条件は変わります
若い方では問題にならないことでも、年齢とともに治療計画に影響する要素が増えてきます。
例えば、
- 歯周病
- ブリッジ
- インプラント
- 過去の治療
- 歯の摩耗(咬耗)
などです。
これらを考慮しながら、安全性と長期的な安定性を優先して治療計画を立てます。
年齢が高くなると考慮すること
年齢が高くなると、次のようなことを考えながら治療を行います。
- 大きく歯を動かすことが難しくなります。
- 歯が長年使われているため、きれいに並んでも若い頃のような印象にはならず、歯の摩耗や過去の治療による特徴は残ります。
- 歯の根を守るため、歯を動かす速度を意図的にゆっくりにします。そのため、治療期間は長くなります。
- 歯ならびが整うことで、これまで気付きにくかった加齢変化が目立つようになります。
特に、
- 歯の変色
- 歯肉退縮
- ブラックトライアングル
は、矯正治療によって新しく起こるというよりも、もともとの加齢変化が見えやすくなる現象です。
若いうちに治療するメリット
一方で、若いうちに治療を始めることには、はっきりしたメリットがあります。
- 大きな歯の移動が行いやすくなります。
- 出っ歯・受け口・歯ならびのガタガタなどの改善がしやすくなります。
- 歯肉退縮やブラックトライアングルなど、加齢変化と関係する副作用を抑えやすくなります。
- 成長期であれば、顎の成長を利用できるため、歯ならびだけでなく顔立ちやかみ合わせの改善も期待できます。
成長が終わると改善できる範囲が変わります
成長が完了すると、顎の骨そのものを成長によって改善することはできません。
例えば、
- 前に成長した上顎骨
- 前に成長した下顎骨
- 左右非対称に成長した顎骨
などは、矯正治療だけで改善できる範囲には限界があります。
改善できる範囲を超えている場合には、外科的矯正治療を併用することをご提案します。
私たちが考える年齢と矯正治療
私たちは、「何歳までなら矯正できます」という考え方はしていません。
一方で、若いうちだからこそ利用できる成長があり、年齢とともに矯正治療だけで改善できる範囲には限界があります。また、歯周病や過去の治療、加齢変化など、考慮すべきことも増えていきます。
そのため、若いうちだからこそ得られるメリットがあることは、ぜひ知っていただきたいと思っています。
治療を始めるかどうかは、その時点で決める必要はありません。
しかし、早めに相談することで、
- 現在のお口の状態
- 将来予想される変化
- 今しかできないこと
- 将来でもできること
を知ることができます。
その上で、ご自身が必要だと考える治療だけを選択肢に入れていただければ十分です。
また、矯正治療は技術の進歩が非常に速い分野です。
以前は難しいと考えられていた治療が可能になっていることもあります。
だからこそ、年齢的な余力がある間に一度診断を受け、ご自身の選択肢を知っておくことを私たちはおすすめしています。